自分の修業時代・・・ 何度、陰で涙を流したことか。 抑えつけられて、抑えつけられて、抑えつけられて来た。 逆にそれが、サバイブして行こうとする精神を育てたのかもしれない。 「お前の意見なんか聞いてねぇ」 「良いも悪いも無ぇ。いいからやれ。」 いつも師匠から言われていた言葉。 「職人は鑿を持ったら考えるな。手を動かせ。」 迷って手が止まると、怒声とともに殴られた。 手にできたマメが破れて血が出ると、テーピングをして鑿を握っていた。 痛さのあまり吐き気がするので、口の奥に指を突っ込んで胃の中を空っぽにして木を彫っていたこともあった。 そんな不条理な日常を何年も過ごした。 その当時は不条理だなんて思わなかったけど。
by gizankatoh
| 2015-09-20 20:19
| 月鏡
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