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今の関東の日常・・・

「〇〇マイクロシーベルトが検出されました。」

「放射性物質は検出されませんでした。」


・・・当たり前のように毎日、どこかでアナウンスされる言葉。

でも、それって不自然な世界だよね。


福島県の「避難区域」、「警戒区域」とは比ぶべくもない事を前提として、

事故当初の恐怖と戦慄。


福島第一原発から約200km離れた私の住む埼玉県東部でも

毎日、毎時、発表される放射性物質の数値にピリピリと神経を張り詰めたような日々。

突き付けられる数値という“現実”。

それが日常化して、今ではどこか麻痺している。


子供を抱えたお母さんやお父さんは、それ以上に神経質にならざるを得ない。

子供の将来や健康について悩んでいると思う。

不安だと思う。

自分を責めているかもしれない。


200km、300km離れた地域でもそんな気持ちで日々を送っているんだよ。

でも、それが今の関東の”日常”・・・



“豊かさ”を追い求めた先にあるもの。
by gizankatoh | 2012-06-30 22:35 | 月鏡

佛師(ほとけし) 村上 清について・・・

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お互い尊敬し、切磋琢磨し合える友人って、そうそう得られるものではないよね。

二人ともまったく違うバックグラウンドを持って、違う世界を目指しながらも

同じ方向を見ているような。。。共有しているような。。。



久しぶりに仕事を離れて外出した。


佛師(ほとけし)の村上 清さんが日本橋タカシマヤで個展をやっているとの事で会いに行ってきました。


その前に腹ごしらえ・・・

天松の「かき揚げ丼」。

芝エビと貝柱がタップリ入ったかき揚げに濃いめのタレが堪らなく美味しい♪

しかもリーズナブル☆

日本橋に来ると立ち寄りたくなる。

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村上さんは平等院鳳凰堂の雲中供養菩薩の模刻や、仏像の修復、その他多くの寺院に仏像を納めている。

非常に謙虚な人だが、古典に倣い、しっかりとした技術を有し、自分のスタンス・・・“哲学”をちゃんと持っている人。

それらに裏付けられながら、“祈り”の形というものを仏像を通して素直に造形化している。

だから迷いがない。

だから言葉の一つ一つが胸に届く。

ストンと腑に落ちる。


私にも見えていたはずのものが見えていなかったのは、

先入観だったり、こねくり回した理屈だったり、或いは「欲」の所為だったと気付かされた。

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技巧的に素晴らしい作品はいくらでもある。

形だけをなぞったような作品もいくらでもある。

関心はする。

しかし、そんな作品は私の心に響かない。


村上さんの作品、世界観には哲学だったり、信念だったり、一途さだったり・・・非常に強い力を感じた。

「これなんだ」と得心した。


面白い。


また、私の見える景色が変わった。


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村上 清 ウェブサイト -佛師 hotokeshi.com-












by gizankatoh | 2012-06-26 12:54 | 美術の話

特別なもの・・・

時にはインテリアのように。

時には光や風のように。

それでも、やはり美術は“特別なもの”というのが良い。
by gizankatoh | 2012-06-24 12:43 | 月鏡

不自然なもの・・・

“不自然なもの”は継続しない。

それは“美”も、そして“人間の営み”も。

現在は多くの歪み・・・“不自然なもの”が存在する。

原子力というものは、その最たる“不自然なもの”ではないだろうか。
by gizankatoh | 2012-06-17 20:46 | 月鏡

普通って・・・

“普通に”お父さん、お母さんがいて、

“普通に”お祖父ちゃん、お祖母ちゃんがいて、

学校を卒業して、就職して、

結婚して、皆に祝福されて、

子供が産まれて、目に涙を浮かべて喜び合ったりして、

たまには外で食事をしたりして、たまにはお酒を飲んだりして、

たまには旅行に行ったりして、たまには喧嘩もしたりして、

お祖父ちゃんが亡くなって、お祖母ちゃんが亡くなって、

思い出話しなんかして

子供も大きくなって、その子供も結婚して、

孫が産まれて、無条件に可愛くて、

沢山の趣味を持って、絵なんか描いたりして、


・・・普通って何だろうね。

「サザエさん」の中にあるような風景を『奇跡』って言うんじゃないかな。

すぐそこにあるようでいて、手の届かないもの。














by gizankatoh | 2012-06-15 08:17 | 月鏡

戦うんだ・・・

汗まみれになって、

泥まみれになって、

地べたに這いつくばって、

しがみついて、

悲しくたって、

泣いたって、

みっともなくたって、

カッコ悪くたって、

歯を食いしばって

戦うんだ。
by gizankatoh | 2012-06-12 19:50 | 月鏡

瓜南さん、ありがとうね。

6月7日・・・

結局、喪服に袖を通した。

前の晩まで、瓜南さんの為に喪服は着たくないと思っていた。

周りの人に白い目で見られてもジーンズで瓜南さんに会いに行こうと思っていたんだ。


季節は梅雨を迎えようとする頃。

鎌倉では紫陽花のきれいな季節。


風が心地良い清々しい日和になった。

瓜南さんは雨女を自称する程の雨女なのに。


式場に着いたら瓜南さんと親しくされていた画家の伴さんがいた。

伴さんの姿を見たら言葉にならない思いが込み上げてきた。


いつも下駄を履いている伴さんが靴を履いているのを見て、

「今日は下駄じゃないんですか?」って訊いたら

「無理やり履かされたんや。」と言っていた。

目にうっすらと涙を浮かべていた伴さんに、自分なりに精一杯のギャグで突っ込んでみた。

その時強く握り締めた手の感覚が今も残ってる。


棺の中で眠っている瓜南さんを見て、

「あぁ、やっぱりそうなんだ・・・そうなんだ。」

と、その時に現実なんだと理解させられた。


棺の中を花で埋め尽くして、

「瓜南さん、ありがとう・・・」と何度も繰り返した。


告別式が終わって火葬場まで行った。

鎌倉の空に昇る煙を見ていた。

瓜南さんは兎のいる月の国へ行ってしまったのかな。


自分は瓜南さんの最後の2年程しか関わっていない。

瓜南さんの画業の詳しい事も知らない。

でも、ベテランの方から若い作家、また美術方面だけではなく

小説家の方、文学方面の方など多くの方に慕われている事を知った。


自分のような畑違いの若輩にも気遣ってくれた。

その2年の間にいろんな美術関係の方と知り合えた。接着剤になってくれた。

自分は仏師として修業をしてきて、日展に入選し、

ギャラリーで作品を取り扱ってもらうようになってからも、何も知らないガキだった。

今でもそうだけど・・・


瓜南さんと知り合って、やっと美術畑の扉の前に立てたように思う。

仲間として迎え入れてくれたと思う。

これからだったのに。。。


短い間だったけど、自分はカナンさんが蒔いた”志”や”思い”の「種」のようなものを受け取れたと思っている。

それはコンマ何ミリにも満たない小さな小さなものかもしれないけれど、

その「種」に一生懸命水をやって花を咲かせるんだ。


来年の春の「観〇光」展で瓜南さんに作品を褒めてもらいたかったな。

瓜南さん、良い旅を。
by gizankatoh | 2012-06-10 08:18 | 月鏡

静かな・・・

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今日、画家の瓜南 直子さんが亡くなった。

いつもと変わらない静かな午後。



先月、「入院生活、退屈そうですね。」と、少しふざけたメールを送った。

瓜南さんは「完全復帰をめざしているからね。」と言っていた。

自分は「待ってますからね。」と返信した。



相応しい言葉を見つけられない。
by gizankatoh | 2012-06-04 17:12 | 月鏡

パリの記憶・・・その七

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最終日・・・


ホテルをチェックアウト。

こじんまりとした小さなホテル。

アットホームで人も親切。

パリに来たら、また利用したいな。

さんざん、からかわれたけど・・・


モンパルナスの街をブラブラしたいと思い、時間に余裕を持って早めにチェックアウトして、

空港に向かうバスの停留所までのんびり歩いた。


しかしっ!バス停に着いてみれば沢山の人・・・。

案の定、バスには乗れず・・・タクシーでド・ゴール空港に向かった。


タクシー運転手さんは自分が急いでいる事を察してか、車をブンブン飛ばした。

自分の乗るエール・フランスのターミナルに着いた・・・と思ったら!なんと工事中!

運転手さんは車を止めて、空港内を走り回ってエール・フランスのターミナルを確認し、再び車を走らせた。


そして、無事ターミナルに着いてタクシー代を払ったのだが、お礼のチップが無い!

後は日本に帰るだけだからと、最低限のユーロしか持っていなかった・・・

自分はパンツのポケットを裏返し、持っているだけのコインを差し上げて、

「ムッシュ、ありがとう!でも、もうこれだけしかないんだ。ゴメンなさい!」と言ったら、

運転手さんは首を横に振りながら、「いいんだよ」と言って、胸に手を当て笑顔で見送ってくれた。

「ムッシュ、メルシーボクー!」と言って空港のロビーに走り込んだ。

パリの人はイイ人だ。


焦ってチェックインしたら飛行機は一時間遅れていたよ・・・

そうして、7日間滞在したパリを後にしたのでした。
by gizankatoh | 2012-06-02 16:10

パリの記憶・・・その六

またまた、ある朝

「ボンジュール」と挨拶しながら食堂に降りて行った。

BGMがお決まりのミスチルに変わった。

自分はニッコリと「メルシー」とお礼を言うと、得意気な顔で胸に手を当てるムッシュ。


テーブルに着いてパンをかじっていたら、

キッチンから出て来たムッシュに「名前はなんだい?」と聞かれたので、

「マモル(本名です)だよ」と応えると、

「オー♪マモル、マモルー♪」とニコニコしながら、ホイップクリームをたっぷり塗った手で握手してきた!

周りのお客さんも爆笑。。。


勘弁してくれムッシュ・・・

パリの人はイイ人だ・・・(-_-;)
by gizankatoh | 2012-06-02 14:52 | よしなしごと・・・