カテゴリ:美術の話( 15 )

林 茂樹というアーティストについて・・・

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先日、日本橋タカシマヤで行われている林 茂樹さんの個展にお邪魔しました。
日本の陶磁器の長い歴史の中で培われて来た技術や技法、知識を土台に
経験と研究とを重ねてアートへと昇華させたその表現には確固たる林さん独自の世界があります。

作品を構成する磁器のパーツは70以上にも上り、
焼成する際に温度を上げるタイミングや時間の管理、収縮率や釉薬の化学反応。。。すべて緻密に計算され作られています。
裏を返せば、一つ計算を間違えると作品にならないということです。

近未来的でありながら、実は日本の長い歴史や伝統に裏付けられた作品であるということ。
表層的な眼で作品と対峙するとその本質を見誤るのではないだろうか・・・
しかし、それ以上に作品の佇まいが心を惹き付けます。

林さんは日本のみならず、海外のアートフェアや展覧会への出展、
そしてその作品はパブリックコレクションとしてイギリスやフランス、イタリア等の美術館に収蔵されています。
一つ一つ目標を達成しながらも常に次のステージを目指している。


ちょっと語弊があるかもしれませんが。。。
美術の世界では王道とは言えない道から、独り道を切り拓いて歩いて来たんだと・・・
それは決して平坦な道ではない事は想像に難くない。
そんな林さんにシンパシーを感じつつ、いつもその姿を見て勇気をもらっているのです。
やはり闘っている人は匂いが違う。

悩みを含め、久しぶりにいろんな話が出来て良かった。
その場所に立たなければ見えない風景というものがあるね。。。


林 茂樹展 Unfolded Ceramics
■3月23日(水)→4月11日(月)
■6階  美術画廊X

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by gizankatoh | 2016-03-26 13:02 | 美術の話

光・・・

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「合間」/ 卯野和宏


言葉より先に祈りがある。

言葉より先に美がある。


友人の卯野和宏くんの作品「合間」。

彼は”光”を描いているんだ。

この絵を観た時に、彼の”光”の謎が一つ解けた思いがした。

そして、彼の中にある新しい”光”を見た思いがした。


まるでマリア像ではないか。

この絵には祈りと慈愛の光がある。
by gizankatoh | 2015-07-20 21:19 | 美術の話

吉水快聞という彫刻家について・・・

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9月のことですが・・・

彫刻家であり、仏師の吉水快聞さんと奈良博物館で行われた「国宝 醍醐寺のすべて展」をはじめ

東大寺の諸堂宇を巡りました。

快聞さんは東京藝術大学大学院美術研究科文化財保存学専攻保存修復彫刻において

快慶の阿弥陀如来立像を中心に研究を行い、博士号(文化財)を取得。

在学中に、浄土宗の総本山知恩院の道場を成満し、僧侶となっています。


現在、その古典技法を駆使した彫刻作品を制作。

また快慶の研究と仏像に対する深い洞察と哲学を持っており、

快聞さんだからこその視点や考えを聴く事ができて非常に多くの「発見」と「気付き」がありました。

改めて、快慶の類い稀なる美意識と信仰の深さを思い知らされたような気がします。


そして、”快慶”と”快聞”・・・高い理想と技術を持ち合わせている二人だからこそ

時代を越え、互いに響き合う”何か”があるようにも感じました。


その快聞さんの個展が高島屋大阪店にて行われております。
もしよろしければお運び下さい。

『吉水快聞展』
高島屋大阪店6階美術画廊
2014年11月12日(水)~18日(火)

彫刻家 吉水快聞 Official Web Site
by gizankatoh | 2014-11-14 21:47 | 美術の話

『初江王』後藤運久・・・

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先日、友人と鎌倉へ行きました。
目的は博古堂所蔵の「後藤運久作の初江王(閻魔王)像」。

桜材で彫られていて、大きさは20センチ程の作品。
隙が無く、隅々まで神経の行き届いた仕事ぶり。

全体の造形はもちろん、衣文や装飾、そして技法。
同時代にあって高村光雲の一派とは一線を画し、
その仕事はとても仏師的で、手首を後から差し込んでいるところなどは一種の潔ささえ感じました。
鎌倉という地で独自の表現を模索されていたことは非常に新鮮で強烈な印象を受けました。

*作品は特別に許可を得て撮影させて頂きました。

by gizankatoh | 2014-11-08 21:35 | 美術の話

男2人でパンケーキ・・・

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画家の卯野和宏さんとカフェ「コンバーション」で待ち合わせ。
男2人でパンケーキを食べながら気が付けば約3時間、途切れる事なく話しに夢中になってしまった。

「写実」と一言で言ってしまうと簡単なのだが、
その絵の奥にある物語は作家一人びとり違う。

卯野さんは卯野さんの物語を紡ぎ出した結果、
”あの”美しい絵へと辿り着くのだと理解した。

それぞれの作家がそれぞれの作品との向かい方や、
作品へと昇華させる過程がこんなにも個々人に因るものなのかと気付かされた。
極々当たり前の事のだが、その「当たり前」がとても素直に自分に入ってきた。

これから、自分の表現を探る中でとても大事な「気付き」があった。
何か、新しい扉の前に立っているような、そんな心持ちだ。

しかし、卯野さんの作品・・・「美しい」という言葉しか思いつかない。
いや、「美しい」という言葉以外必要ないかもしれない。


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卯野和宏 <陽>

卯野和宏 web-site
by gizankatoh | 2014-04-27 20:06 | 美術の話

炎舞・・・

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どれほどの時間、その絵と向かい合っていただろう。


頑なで、冷徹で、未成熟で、完成されていない・・・

それでいて、崇高で、狂熱で、研ぎ澄まされていて、隙の無い、完璧な絵。


『鬼手仏心』

鬼の如く・・・

仏の如く・・・


迷いなど焼き尽くして、

その情熱のすべてを注ぎ込み、

御舟の炎が「真面目であれ」と私を促す。
by gizankatoh | 2013-09-27 12:30 | 美術の話

若武者 <源 爲朝> ~みなもと の ためとも~

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源 爲朝(みなもと の ためとも)

平安時代末期の武将。源為義の八男。
弓の名手で、九州で暴れ、鎮西八郎を称す。
保元の乱では父為義とともに崇徳上皇方に属して奮戦するが敗れ、
為朝は、その武勇を惜しまれて助命され、伊豆大島へ流される。

『吾妻鏡』にも戦場で射られた大庭景義が為朝のことを「無双の弓矢の達者」だと言うくだりがあり、
当時から世に聞こえた剛の武者であったことは確かである。

また、その剛勇ぶりにあやかって、各地に様々な伝説を遺す。


作品は、保元の乱において、白河北殿に攻め寄せる平家勢に矢を射かけようとしている場面を表現しました。



像高 : 470mm
材   : 楠

加藤 魏山 作品 Gizan KATOH Works
by gizankatoh | 2012-10-27 10:25 | 美術の話

佛師(ほとけし) 村上 清について・・・

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お互い尊敬し、切磋琢磨し合える友人って、そうそう得られるものではないよね。

二人ともまったく違うバックグラウンドを持って、違う世界を目指しながらも

同じ方向を見ているような。。。共有しているような。。。



久しぶりに仕事を離れて外出した。


佛師(ほとけし)の村上 清さんが日本橋タカシマヤで個展をやっているとの事で会いに行ってきました。


その前に腹ごしらえ・・・

天松の「かき揚げ丼」。

芝エビと貝柱がタップリ入ったかき揚げに濃いめのタレが堪らなく美味しい♪

しかもリーズナブル☆

日本橋に来ると立ち寄りたくなる。

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村上さんは平等院鳳凰堂の雲中供養菩薩の模刻や、仏像の修復、その他多くの寺院に仏像を納めている。

非常に謙虚な人だが、古典に倣い、しっかりとした技術を有し、自分のスタンス・・・“哲学”をちゃんと持っている人。

それらに裏付けられながら、“祈り”の形というものを仏像を通して素直に造形化している。

だから迷いがない。

だから言葉の一つ一つが胸に届く。

ストンと腑に落ちる。


私にも見えていたはずのものが見えていなかったのは、

先入観だったり、こねくり回した理屈だったり、或いは「欲」の所為だったと気付かされた。

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技巧的に素晴らしい作品はいくらでもある。

形だけをなぞったような作品もいくらでもある。

関心はする。

しかし、そんな作品は私の心に響かない。


村上さんの作品、世界観には哲学だったり、信念だったり、一途さだったり・・・非常に強い力を感じた。

「これなんだ」と得心した。


面白い。


また、私の見える景色が変わった。


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村上 清 ウェブサイト -佛師 hotokeshi.com-












by gizankatoh | 2012-06-26 12:54 | 美術の話

アートフェア東京 2012・・・川埜龍三

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有楽町の国際フォーラムで行われている「アートフェア東京」に行って来た。(龍三はん、招待券アリガト♪)

お知り合いの作家の方の作品をあちらこちらに目にしながら「原古美術店」のブースへ。


造形作家の友人、川埜龍三さんに会ったのは一年ぶり。

楽しくなって時間を忘れて話し込んでしまう。

技術的な事、内面の事、作品との対話・・・

本当に参考になる。

会うたびに刺激を受ける。

自分の中にある迷いや、余分な思考が削ぎ落とされていく。

どんどん、彼の物語に惹き込まれてしまう。

正直に言うと、作品を見るたびに「嫉妬心」を禁じえないんだ。。。

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今回も多くの刺激を受けたが、印象に残った言葉。

『作品を作っている時に、その作品の“彼”は、どんな音を聴き、どんなトーンで喋るか・・・その喋り方までもイメージする。』

その声に耳を傾け“彼”と対話する。

そうか・・・龍三さんの作品に「体温」や、「言葉を発している」と感じた事があった。

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自分はコンプレックスを背負って、その重さに腰を屈め、足元の泥濘を気にして、

言い訳をしながら歩いている。


龍三さんはコンプレックスを背負いながらも、その重さを気にも掛けず、足元の泥濘も気にせず、

イメージの向こうに向かってズンズンと歩いている。
by gizankatoh | 2012-04-01 13:03 | 美術の話

アートフェア東京からマーラー刀削麺・・・

有楽町の国際フォーラムで行われているアートフェア東京に行ってきました。

あ、全体の写真撮るの忘れてた・・・(-_-;)


NODA CONTEMPORARYのブースで画家の中堀慎治さんが作品を出品しているとの事でご挨拶。

京都の世界文化遺産を会場にしたプロジェクト「観〇光」の具体的なお話しを伺う事が出来て良かった。

益々、参加したい気持ちが高まる。


自分の彫刻に込めた想いと「観〇光」の理念は合致している(思い込み・・・?)。

貢献できると思っているし(思い込み??)、自分の成長の場として最も適している場だと思っている(思い込みでもイイ!!)。


自分は世界文化遺産である二条城や清水寺に作品を展示する事を望んでいる訳ではなく、

「観〇光」の理念、趣旨に感銘を受け、さらにその波紋が広がるように、微力ながら力を尽くしたいと強く思ったのです。



「出品させて下さい!」と半ば、中堀さんのストーカーのように付きまとっていたんだ。

そのうえ、来年の個展と埼玉県内にあるお寺への御本尊奉納という重要な仕事が重なっていた為に

「2013年に参加させて下さい・・・」と我が儘を聞いて頂いているのです・・・。

紹介して下さった画家の榎 俊幸さんや、受け入れてくれた中堀さんの顔に泥を塗る訳にはいかない。


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NODA CONTEMPORARYの社長並びにスタッフの皆様、お忙しい中、大変申し訳ございませんでした。

ありがとうございましたm(__)m



本日の〆は・・・春日部にある中華屋さんの裏メニュー「マーラー刀削麺」

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いつも、次の日のお腹の具合が悪くなるので「辛みを抑えて」とお願いしたのに・・・辛い。

でも、病的に食べたくなるんだよね・・・(-_-;)
by gizankatoh | 2011-07-30 09:14 | 美術の話