『秘すれば花なり、秘せずば花なるべからず』 世阿弥が記した「風姿花伝」の言葉を頭の中で何度も繰り返した。 言葉として解った風を装っても胸の内まで落ちて来ない。 ただ、ピンと張り詰めた空気の中にそれを解く鍵がありそうな気がする。 削ぎ落とした、抑制された、清らかな、この緊張感が心地好い。 静寂を切り裂く掛け声、鼓、笛の音、足拍子。 刹那、時が止まる。 無音の中にすべての音があり、 静の中に絶えず動が流れている。 今の私には”幽玄”という言葉の本当の意味は解らない。 まだ、その核心には触れていない。 しかし、森羅万象がそこにあった。 宇宙がそこにあった。 神の意志、菩薩の理がそこにあった。
by gizankatoh
| 2014-12-07 21:59
| 月鏡
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